
写真は鉄鏃(てつぞく)と呼ばれる文化財で、幅は8cm程、長さは10cm以上を計る非常に巨大なものです。「鉄鏃」とは、鉄でできた矢じりのことで、武器として使われるものですが、この鉄鏃は武器として使うには大きすぎるため、お祭りに使う道具か、被葬者の権力を示す威信財(いしんざい)として特別に作られたものと考えられます。
錆びて失くなってしまったり、原形が分からないほどボロボロになってしまったりする鉄製品も珍しくありません。空気や湿気、気温の変化に弱い文化財ですので、劣化を最小限にするため、普段は文化財倉庫の中で大切に保管しています。