○西原村景観条例
平成26年9月16日
条例第15号
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、村、村民及び事業者の村土の景観形成に関する責務を明らかにするとともに、景観法(平成16年法律第110号。以下「法」という。)の規定に基づく景観計画の策定及び行為の規制等に関し必要な事項並びに景観形成のための活動の促進に関する事項を定めることにより、地域の特性が生かされた景観の保全と創造を図り、もって緑と水が豊かで村民にとって誇りと愛着のもてる村土の醸成に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「景観形成」とは、優れた景観を保全し、又は創造することをいう。
2 この条例において「建築物等」とは、建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物(塀を除く。以下「建築物」という。)及び規則で定める工作物(以下「工作物」という。)をいう。
(1) 山、高原、河川等の自然の風景を有する地域
(2) 歴史的遺産を有する地域
(3) 田園風景を有する地域
(4) 道路及びその周辺の地域
(5) 都市施設の集積地域
(6) その他村長が特に必要と認める地域
5 この条例において「特定施設」とは、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号)第2条第1項第7号及び第8号並びに同条第6項第4号に規定する営業を行うための施設、危険物の規制に関する政令(昭和34年政令第306号)第3条第1号に規定する給油取扱所(専ら自家用に供するものを除く。)、広告塔及び広告板その他当該地区の景観を構成するうえで重要な要素となる施設及び設備で規則で定めるものをいう。
6 この条例において「大規模行為」とは、次に掲げる行為をいう。
(2) 工作物で、その高さ(工作物が建築物と一体となって設置される場合にあっては、当該建築物の高さとの合計の高さとする。)又はその敷地の用に供する土地の面積が規則で定める規模を超えるものの新築、増築、改築、移転及び撤去、外観を変更することとなる修繕若しくは模様替並びに色彩の変更
(3) さく及び塀で、高さ及び長さが規則で定める規模を超えるものの新築、増築、改築、移転及び撤去、外観を変更することとなる修繕若しくは模様替並びに色彩の変更
(4) 地形の外観の変更を伴う鉱物の掘採及び土石の採取で、地形の外観の変更に係る土地の面積が規則で定める面積を超えるもの又は高さ及び長さが規則で定める規模を超えるのり面若しくは擁壁を生じるもの
(5) 土地の区画形質の変更(土地の開墾及び水面の埋立て又は干拓を含む。以下同じ。)で、変更に係る土地の面積が規則で定める面積を超えるもの又は高さ及び長さが規則で定める規模を超えるのり面若しくは擁壁を生じるもの
(村の責務)
第3条 村は、村土の景観形成を促進するための基本的、かつ、総合的な施策を策定し、及びこれを実施するように努めるものとする。
2 村は、村民と連携し、かつ、協力して、前項の施策を策定し、及び実施するよう努めるものとする。
(村民及び事業者の責務)
第4条 村民及び事業者は、村土の景観形成に自ら努めるとともに、村が実施する景観形成のための施策に積極的に協力するように努めるものとする。
(国等に対する協力の要請)
第5条 村長は、景観形成を効果的に行うために必要があると認めるときは、国又は他の地方公共団体に対して、景観形成について協力を要請できるものとする。
第2章 景観計画
(景観計画)
第6条 村長は、景観形成を総合的かつ計画的に推進するため、景観計画(法第8条第1項に規定する景観計画をいう。以下同じ。)を定めるものとする。
2 景観計画においては、次条第2項各号に掲げる行為に係る良好な景観形成のための行為の制限に関する事項について定めることができる。
第3章 行為の規制等
(届出行為等)
第7条 法第16条第1項の規定による届出の対象となる行為(同項第4号の規定により条例で定める行為を含む。)は、次の各号に掲げる行為とする。
(1) 景観形成地域における次に掲げる行為
ア 建築物等の新築、増築、改築若しくは移転、外観を変更することとなる修繕若しくは模様替又は色彩の変更
イ 木竹の伐採
ウ 屋外における土石、廃棄物(廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第2条第1項に規定する廃棄物をいう。)、再生資源(資源の有効な利用の促進に関する法律(平成3年法律第48号)第2条第4項に規定する再生資源をいう。)、その他の物件の堆積
エ 鉱物の掘採又は土石の採取
オ 土地の区画形質の変更
(2) 特定施設届出地区における特定施設及び同一敷地内でこれに附帯する施設でその敷地の全部又は一部が特定施設届出地区に係るものの新築、増築、改築若しくは移転、外観を変更することとなる修繕若しくは模様替又は色彩の変更(前号に規定する行為を除く。)
(3) 景観形成地域を除く景観計画区域(景観計画において定める景観計画の区域をいう。以下同じ。)内における大規模行為(前号に規定する行為を除く。)のうち建築物等の撤去以外の行為
2 次に掲げる行為をしようとする者は、その旨を村長に届け出なければならない。
(1) 景観形成地域における次に掲げる行為
ア 建築物等の撤去
イ 屋外における自動販売装置の設置
ウ 広告物(屋外広告物法(昭和24年法律第189号)第2条第1項に規定する屋外広告物及びこれに類するもので屋内から屋外の公衆に向けて表示されるものをいう。)の設置及び外観の変更
(2) 特定施設届出地区における特定施設及び同一敷地内でこれに附帯する施設でその敷地の全部又は一部が特定施設届出地区に係るものの撤去(前号に規定する行為を除く。)
(3) 景観形成地域を除く景観計画区域内における大規模行為(前号に規定する行為を除く。)のうち建築物等の撤去
7 法第16条第2項の規定による変更の届出は、当該変更が同条第3項の勧告に従うことにより生じるとき、又は法第17条第1項の規定による命令に従うことにより生じるときは、することを要しない。
(1) 景観形成地域における通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で規則で定めるもの
(2) 特定施設届出地区における行為で規則で定めるもの
(3) 大規模行為に係る通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で規則で定めるもの
(景観計画の順守)
第10条 法第16条第1項又は第2項の規定による届出を要する行為をしようとする者は、当該行為が景観計画に適合するようにしなければならない。
(助言及び指導)
第11条 村長は、法第16条第1項又は第2項の規定による届出があった場合において、良好な景観形成のために必要があると認めるときは、当該届出をした者に対し、必要な措置を講じるよう助言し、当該届出に係る行為が景観計画に定められた当該行為についての制限に適合しないと認めるときは、当該届出をした者に対し、必要な措置を講じるよう指導することができる。
(完了届等)
第12条 法第16条第1項又は第2項の規定による届出をした者は、当該届出に係る行為を完了したとき、又は中止したときは、速やかに、規則で定めるところにより、その内容を村長に届け出なければならない。
(勧告の公表)
第14条 村長は、法第16条第3項及び第7条第5項の規定による勧告した場合において、その勧告を受けた者が、正当な理由なく、当該勧告に従わないときは、その者の氏名及び住所(法人その他の団体にあっては、その名称及び所在地)並びに当該勧告の内容を公表することができる。
2 村長は、前項の規定による公表をしようとするときは、当該公表に係る者に、あらかじめ、その旨を通知し、その者又はその代理人の出席を求め、釈明及び証拠の提出の機会を与えなければならない。
3 村長は、第1項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ、西原村景観審議会の意見を聴かなければならない。
(特定届出対象行為)
第15条 法第17条第1項の条例で定める行為は、第7条第1項の規定により届出を要する行為のうち、法第16条第1項第1号及び第2号に掲げる行為とする。
第4章 公共事業等における景観形成
(公共事業等景観形成指針)
第16条 村長は、公共事業、公共施設の建築等で村土の景観形成に著しい影響を及ぼすもの(以下「公共事業等」という。)について景観形成のための指針(以下「公共事業等景観形成指針」という。)を定めるものとする。
(公共事業等景観形成指針の遵守等)
第17条 村は、公共事業等を行うときは、公共事業等景観形成指針を遵守するものとする。
2 村長は、国、他の地方公共団体その他の公共的団体が公共事業等を行うときは、公共事業等景観形成指針に配慮するよう要請することができる。
第5章 特定事業者との景観形成協定
第18条 村長は、村土の景観形成を図るうえで必要があると認めるときは、その事業に係る一団の土地の面積が規則で定める面積を超える事業(以下「特定事業」という。)を営み、又は営もうとする者(国の機関、地方公共団体及び規則で定める公共的団体(以下「国等」という。)を除く。)と景観形成に関する協定を締結することができる。
2 前項の協定には、次に掲げる事項のうち必要な事項を定めるものとする。
(1) 協定の名称及び目的並びに協定の対象となる区域に関する事項
(2) 建築物等の位置及び外観並びに敷地の緑化に関する事項
(3) 駐車場等附帯施設の位置及び外観並びに敷地の緑化に関する事項
(4) 協定の有効期間に関する事項
(5) 協定の廃止又は変更の手続に関する事項
(6) その他協定の対象となる区域の景観形成に関し必要な事項
3 村長は、第1項の協定を締結したときは、その内容を公表するものとする。
第6章 援助等
(援助)
第19条 村は、村長の指導、助言又は勧告に従って、景観形成のために必要な措置を講じる者に対して、技術的援助を行うことができる。
(啓発)
第20条 村は、村民、事業者等に対し、村土の景観形成施策に関する知識の普及等啓発に努めるものとする。
2 村は、次条第1項の協定の締結が促進されるよう必要な啓発に努めるとともに、都市緑地法(昭和48年法律第72号)に基づく緑地協定、建築基準法に基づく建築協定その他景観形成を図るうえで活用できる制度で、村民、事業者等が相互に協力して行うことができるものについて、必要な啓発に努めるものとする。
第7章 村民の景観形成活動
(景観形成住民協定)
第21条 土地(道路、河川、公園等公共の用に供する土地を除く。)又は建築物等を所有し、又は管理する者(国等を除く。)は、一定の区域を定め、当該区域の実情に応じた景観形成を図るため、当該土地、建築物等その他景観形成に必要な事項について、景観形成に関する協定を締結するように努めるとともに、当該協定に沿った活動を積極的に行うように努めるものとする。
(景観形成住民団体等)
第22条 景観形成に係る活動を目的とした住民団体等は、その自主的活動を積極的に行うとともに、村が実施する景観形成のための施策に協力するように努めるものとする。
第8章 景観重要建造物及び景観重要樹木の指定の手続
(景観重要建造物の指定の手続)
第23条 村長は、法第19条第1項の規定により景観重要建造物の指定をしようとするときは、あらかじめ、西原村景観審議会の意見を聴かなければならない。
2 村長は、景観重要建造物の指定をしたときは、速やかにその旨を告示するものとする。
(景観重要樹木の指定の手続)
第24条 前条の規定は、法第28条第1項の規定による景観重要樹木の指定の手続について準用する。
(指定の解除)
第25条 第23条の規定は、法第27条第1項若しくは第2項の規定による景観重要建造物の指定の解除又は法第35条第1項若しくは第2項の規定による景観重要樹木の指定の解除の手続について準用する。
第9章 西原村景観審議会
(設置及び権限)
第26条 村長の附属機関として西原村景観審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、村長の諮問に応じ、景観形成に関する事項を調査審議するものとする。
3 審議会は、景観形成に関する事項について、村長に意見を述べることができる。
4 村長は、次に掲げる事項については、審議会に諮問するものとする。
(1) 景観計画の策定及び変更
(3) 法第17条の規定による命令に関すること。
(4) その他村長が必要と認める景観形成に関する重要事項
(組織等)
第27条 審議会は、委員15人以内で組織する。
2 審議会の委員は、景観形成に関し学識経験を有する者その他村長が適当と認める者のうちから村長が任命する。
3 委員の任期は2年とし、補欠の委員の任期は前任者の残任期間とする。ただし、再任を妨げない。
4 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。
5 前各項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
第10章 雑則
(規則への委任)
第28条 この条例に定めるもののほか、必要な事項は、規則で定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成26年12月1日から施行する。